【そもそもの話】個人向け国債は相続できる?
手続きの流れと、家族に残しておくメモ
- 個人向け国債は相続できます。取扱金融機関で手続きし、相続人の口座へ移す(移管)か、中途換金して現金で分けるかの2択が基本です
- 中途換金は通常「発行から1年後」からですが、保有者が亡くなった場合は1年未満でも特例で換金できます(元本割れなし)
- 必要書類や手続きの詳細は金融機関ごとに異なるため、まずは購入先の窓口・コールセンターへの連絡から
- 持っている側の備えは「どこに・何を・いくら」のメモを家族に残しておくのが実用の肝(テンプレは本文⑤)
📚 個人向け国債を扱う主要証券会社
元本保証の個人向け国債(変動10年・現行1.95%)を取り扱う主要証券会社です。口座開設や購入の判断はご自身でご確認ください。
マネックス証券(NTTドコモグループ)
個人向け国債も購入手数料0円・米国債/投信にも強い
岩井コスモ証券
個人向け国債(変動10年・固定5年)を取扱。米国株/外国債券にも対応。
① そもそも個人向け国債は相続できる?(できます・2つの選択肢)
「親が国債を持っているらしい」「自分が持っている国債は家族に引き継げるのか」——どちらの立場でも、まず押さえたいのはここです。個人向け国債は預金や株式と同じように相続の対象で、亡くなった方(被相続人)が保有していた国債は相続人に引き継がれます。
引き継ぎ方は、大きく分けて次の2つです。
- 選択肢A:名義の移管——取扱金融機関で手続きし、相続人の口座へ国債を移す方法。そのまま満期まで持ち続けられ、利子も引き続き受け取れます
- 選択肢B:中途換金——相続の手続きの中で換金して現金で受け取り、相続人の間で分ける方法。個人向け国債は中途換金しても元本割れしない設計です(直前2回分の利子相当が差し引かれます)
② 手続きの一般的な流れ(STEP形式)
実際の流れは、被相続人が国債をどの金融機関で買ったかで決まります。一般的には次のような順番です。
- STEP1:取扱金融機関に死亡の連絡——被相続人が国債を保有していた銀行・証券会社の窓口やコールセンターに連絡します。連絡後は口座の取引が一時止まるのが一般的です
- STEP2:必要書類の案内を受け、準備する——一般的には戸籍謄本(相続関係のわかるもの)・遺産分割協議書・相続人の本人確認書類・印鑑証明書などが求められます。必要書類の種類や様式は金融機関ごとに異なるため、必ず案内に沿って準備してください
- STEP3:移管 or 換金の手続き——書類がそろったら、相続人の口座への移管、または中途換金による現金化が行われます。移管の場合、相続人がその金融機関に口座を持っていなければ開設が必要になることがあります
※ 上記はあくまで一般的な流れです。手続きの詳細・所要期間・書類は各金融機関で異なります。最新の案内は必ず取扱金融機関でご確認ください。
③ 発行から1年未満でも換金できる「死亡時の特例」
個人向け国債の中途換金は、通常発行から1年たってから可能になります。ただし例外があり、保有者が亡くなった場合(および大規模災害で被害を受けた場合)は、発行から1年未満でも特例で中途換金できます。
- 「買ったばかりだから換金できないのでは」と心配する必要はありません。相続の場面では保有期間の縛りはかかりません
- 換金時は通常の中途換金と同じく、直前2回分の各利子(税引前)×0.79685が調整額として差し引かれます
- 差し引かれるのは直近の利子相当分だけなので、元本自体は割れません
中途換金のしくみそのものは 金利・国債ガイド でも解説しています。
④ 相続税の評価はどう考える?(概要のみ)
個人向け国債は相続財産に含まれるため、他の財産と合わせて相続税の計算対象になります。評価額の目安は、「課税時期にその国債を中途換金したとした場合の金額」、つまり「額面+経過利子相当−中途換金調整額」のイメージとされています。
- 額面そのままではなく、換金したらいくらになるかという考え方が目安になります
- ただし、相続税がかかるかどうか(基礎控除の範囲か)、具体的な評価や申告のやり方は個々の状況で大きく変わります
- この記事はあくまで概要の紹介です。実際の評価・申告は税理士等の専門家にご相談ください
⑤ いま持っている人へ:「家族に残すメモ」テンプレ
相続の手続きで家族が一番困るのは、実は書類そのものよりも「どこに何があるか分からない」ことです。国債を持っている方は、次のようなメモを1枚残しておくだけで、家族の負担が大きく減ります。
- どこの金融機関か:〇〇銀行 〇〇支店/〇〇証券(店舗・ネットの別も)
- 何を持っているか:個人向け国債 変動10年(第〇〇回債)など、商品名と回号
- いくら持っているか:額面〇〇万円(購入時期もあれば)
- 連絡先:その金融機関のコールセンター番号・担当店舗の電話番号
- 口座情報のありか:取引残高報告書・通帳・ログインIDの保管場所(暗証番号やパスワードそのものは書かない)
- 書いたら、家族に「ここにあるよ」と場所だけ伝えておくのがポイントです
- 年に1回(例えば帰省や敬老の日のタイミング)に見直すと、内容が古くならずにすみます
- 逆に、親が国債を持っていそうな方は、「どこの金融機関で買ったか」だけでも聞いておくと、いざというとき手続きの入口がすぐ分かります
なお、いま保有中の変動10年(2026年10月発行分の適用利率は年1.95%)の利子には20.315%の税金がかかります。手取りの試算は 日本国債シミュレーター でできます。
よくある質問
Q. 発行から1年たっていない国債でも、相続のとき換金できますか?
できます。中途換金は通常発行1年後からですが、保有者が亡くなった場合は1年未満でも特例で換金可能です。
Q. 相続で中途換金すると元本割れしますか?
しません。直前2回分の各利子(税引前)×0.79685が調整額として差し引かれますが、元本自体は割れない設計です。
Q. 相続の手続きはどこですればいいですか?
被相続人が国債を購入した取扱金融機関(銀行・証券会社)です。必要書類や流れは金融機関ごとに異なるため、まず窓口・コールセンターへの連絡から始めてください。
Q. 個人向け国債に相続税はかかりますか?
相続財産に含まれるため計算対象になります。評価額は課税時期に中途換金したとした場合の金額が目安とされますが、具体的な評価・申告は税理士等の専門家にご相談ください。
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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入や特定の手続き方法を推奨するものではありません。相続の手続き・必要書類・所要期間は各金融機関で異なり、相続税の評価・申告は個々の状況によって変わります。法務・税務の判断が必要な場合は、税理士・司法書士等の専門家にご相談ください。利率などの条件は変動します。最新情報は財務省・各金融機関の公式サイトでご確認ください。
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