【そもそもの話】銀行で勧められた社債、国債より利率が高いのはなぜ?
その上乗せ分は「あなたが引き受けるリスクの値段」
- 社債は会社にお金を貸す商品、国債は国にお金を貸す商品。しくみは似ていても「貸す相手」が違います
- 社債の利率が高いのは、会社が倒産するかもしれないリスク(信用リスク)の対価が上乗せされているから。おまけではなく「値段」です
- 発行した会社が破綻すると、社債は元本が戻らない可能性があります。預金保険の対象外です
- 迷ったら、土台は元本保証の個人向け国債(変動10年 年1.87%・固定5年 年2.06%=2026年9月発行分)、社債は余裕資金の一部でという順番が考えやすい整理です
📚 個人向け国債を扱う主要証券会社
元本保証の個人向け国債(変動10年・現行1.87%)を取り扱う主要証券会社です。口座開設や購入の判断はご自身でご確認ください。
マネックス証券(NTTドコモグループ)
個人向け国債も購入手数料0円・米国債/投信にも強い
岩井コスモ証券
個人向け国債(変動10年・固定5年)を取扱。米国株/外国債券にも対応。
① そもそも社債とは?——「貸す相手」が違うだけ
社債とは、会社(企業)が発行する債券のことです。債券としての基本のしくみは国債とよく似ています。
- お金を貸して、定期的に利子を受け取り、満期に元本(額面)が返ってくる約束の商品です
- 違いはシンプルで、国債=国にお金を貸す、社債=会社にお金を貸す。つまり「貸す相手」が違うだけです
- ただしこの「相手の違い」が、利率にもリスクにもそのまま反映されます
銀行や証券会社の窓口で「国債より利率のいい商品がありますよ」と社債を案内されるのは、営業として自然なことです。大事なのは、なぜ利率が高いのかを理解したうえで選ぶことです。
② 利率の差の正体:「信用リスクの値段」
同じくらいの年限なら、社債の利率は国債より高いのが一般的です。これは偶然でもサービスでもなく、理由があります。
- 国は徴税権を持ち、日本国債は円建てで国が元本と利子を保証(個人向け国債の場合)します。一方、会社は倒産する可能性がゼロではありません
- 会社は「倒産リスクを引き受けてもらう分、国債より高い利率で報いる」ことでお金を集めています
- この上乗せ分が信用リスクの値段です。たとえば同じ年限の国債より1%高い社債なら、その1%は「この会社にお金を貸すリスクの対価」と読めます
上乗せ分=信用リスクの値段(具体的な利率は銘柄・時点で異なります)
| 項目 | 個人向け国債 | 社債(一般的な傾向) |
|---|---|---|
| 貸す相手 | 国 | 会社(企業) |
| 元本 | 国が元本と利子を保証 | 発行企業が破綻すると戻らない可能性 |
| 利率 | 変動10年 1.87%・固定5年 2.06%(2026年9月発行分) | 同年限の国債より高いのが一般的(=リスクの対価) |
| 預金保険 | 対象外(ただし国の保証あり) | 対象外 |
| 中途換金 | 発行1年後から元本割れせず換金可 | 市場価格しだいで元本割れの可能性 |
③ もし会社が破綻したら?——一般論として
社債を考えるうえで、いちばん先に押さえておきたいのがここです。
- 発行した会社が経営破綻すると、社債は元本の全部または一部が戻らない可能性があります。過去には社債の債務不履行(お金が約束どおり返されないこと)の事例も実際にあります
- 破綻時の弁済には順位があり、社債(一般の債権)は株主よりは先に扱われますが、全額が戻る保証はありません
- 社債は預金保険(ペイオフ)の対象外です。銀行の窓口で買っても「預金と同じ守られ方」はしません
これは社債が悪い商品だという話ではありません。「高い利率は、この可能性を引き受けることとセット」という商品の性質の話です。
④ 「利率が高い=良い商品」ではなく「対価」と読む
ここまでを一つの原則にまとめると、こうなります。
- 利率の高さは「良さ」ではなく「リスクを引き受けた対価」です
- 裏返せば、高い利率を付けないとお金が集まらない、という市場からの評価が利率に表れているとも読めます
- だから比べるときは「どちらの利率が高いか」ではなく、「その上乗せ分は、引き受けるリスクに見合うか」という問いに置き換えるのがコツです
金利と債券の関係のそもそもは 金利・国債ガイド でまとめています。
⑤ 判断の順番:土台をつくってから、上乗せを考える
退職金などまとまったお金の置き場所を考えるなら、順番で整理するのが実用的です。
- 手順1:減らしたくないお金の土台を、元本保証の個人向け国債や預金で先に固める(手取りは 日本国債シミュレーター で試算できます。預金との比較は 国債 vs 定期預金)
- 手順2:そのうえで社債は、なくなっても生活に響かない余裕資金の一部で検討する
- 判断軸:「その上乗せ利率のために、元本を失うかもしれない可能性を引き受けられるか」。イエスと言えないなら、見送っても損ではありません
資産全体の組み立て方は 投資ロードマップ、そもそも国債の安全性の考え方は 日本国債は借金1300兆円でも大丈夫? をどうぞ。
よくある質問
Q. 社債は預金保険(ペイオフ)の対象ですか?
いいえ、対象外です。銀行の窓口で購入しても預金とは守られ方が異なり、発行企業が破綻すると元本が戻らない可能性があります。
Q. 社債の利率が国債より高いのはなぜですか?
会社は倒産する可能性がゼロではないため、その信用リスクを引き受けてもらう対価として国債より高い利率を付けるのが一般的だからです。
Q. 発行した会社が倒産したら社債はどうなりますか?
弁済の順位では株主より先に扱われますが、元本の全部または一部が戻らない可能性があります。過去には債務不履行の事例もあります。
Q. 社債は買わないほうがいいのですか?
一概には言えません。リスクの対価として利率を受け取る商品なので、性質を理解したうえで余裕資金の一部で検討するのは選択肢の一つです。土台は元本保証の個人向け国債や預金で固める整理が考えやすいです。
関連ページ
個人向け日本国債 シミュレーター
変動10年・固定5年・固定3年の手取りを計算。
比較国債 vs 定期預金
元本保証どうし、利率と安全性をフラットに比較。
そもそも日本国債は「借金1300兆円」でも大丈夫?
国債そのものの安全性の考え方をフラットに解説。
資産形成投資ロードマップ
預金・国債・株式の役割分担と分散の考え方。
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入や売却を推奨するものではありません。社債の利率・条件・信用力は銘柄や時点により大きく異なり、記載は一般的な傾向の説明です。個人向け国債の利率(変動10年1.87%・固定5年2.06%)は2026年9月発行分のもので、今後変動します。最新情報は財務省・各金融機関の公式サイトや目論見書等でご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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