【そもそもの話】日本国債の「格付け」ってなに?
下がると利率はどうなる?をフラットに
- 格付けとは、民間の格付け会社が「お金を返せる力(信用力)」を記号で評価した“意見”のこと。国のお墨付きでも、将来の断定でもありません
- 格下げが起きると、市場金利は上がる方向に働きやすい=これから発行される国債の利率は上がる方向です
- 個人向け国債は額面発行・額面償還なので市場価格の変動なし。元本と利子は国が保証する設計です
- 「格下げ=すぐ破綻」ではありません。慌てて動く前に、構造を知っておくのが大切です(2026年8月時点:政策金利1.00%/個人向け国債 変動10年は年1.80%=2026年8月適用)
📚 個人向け国債を扱う主要証券会社
元本保証の個人向け国債(変動10年・現行1.80%)を取り扱う主要証券会社です。口座開設や購入の判断はご自身でご確認ください。
マネックス証券(NTTドコモグループ)
個人向け国債も購入手数料0円・米国債/投信にも強い
岩井コスモ証券
個人向け国債(変動10年・固定5年)を取扱。米国株/外国債券にも対応。
① そもそも「格付け」とは?
格付けとは、格付け会社(民間企業)が、お金の借り手(国や企業)の「返済能力=信用力」を記号で評価したものです。
- 評価の対象は国債だけでなく、社債など「お金を借りるために発行される証券」全般です
- 記号はおおむねAAA(トリプルA・最上位)〜D(債務不履行)のような尺度で、上に行くほど「返済能力が高い」という評価になります(表記は会社により少しずつ異なります)
- 大事なのは、格付けがあくまで民間会社による「意見の表明」だということ。国のお墨付きでも、将来を保証するものでもありません
- 国債の格付けは、「その国がどれくらい確実に借金を返せそうか」という第三者の採点だとイメージしてください
② 誰が、何を評価している?
国債の格付けでよく名前が挙がる主要な格付け会社は、次のとおりです。
| 格付け会社 | 特徴 |
|---|---|
| S&P(エスアンドピー) | 海外の大手格付け会社。世界の国債・社債を幅広く評価 |
| ムーディーズ | |
| フィッチ | |
| R&I(格付投資情報センター) | 日本の格付け会社。国内の発行体に強み |
| JCR(日本格付研究所) |
- 評価の材料は、財政の状況・経済の成長力・政治や政策の安定性など多岐にわたります
- 各社がそれぞれ独立に評価するため、同じ日本国債でも会社によって記号や見通しは異なりますし、時期によって見直されます
- 日本国債の現在の格付けは、主要格付け会社の最新の公表を各社サイトで確認できます(本記事では変動しうる具体的な記号の記載は控えます)
③ 格下げが起きたら、何が起きうる?
では、もし日本国債が「格下げ」されたら何が起きうるのか。一般的な波及の方向を整理します。
- 市場金利は上がる方向:信用力の評価が下がると、市場で国債が売られやすくなり、国債価格の下落=市場金利の上昇という圧力になります(価格と金利がシーソーの関係になる理由は 利上げで債券価格はなぜ下がる? で解説)
- 新発国債の利率は上がる方向:国は借り手として、より高い利子を払わないとお金を借りにくくなるためです
- 為替への波及もあり得る:円が売られる圧力になる可能性も指摘されますが、実際の反応はそのときの市場環境しだいです
市場で売買しない個人向け国債は価格変動なしという対比のイメージ
ここで大事なのが、すでに保有している「個人向け国債」への影響です。
- 個人向け国債は額面で発行・額面で償還される(市場で売買しない)ため、市場金利が動いても価格が値下がりすることはありません
- 元本と利子は国が保証する設計です。格付けは民間会社の意見であり、この保証の枠組みそのものを変えるものではありません
- むしろ変動10年は半年ごとに利率が見直されるため、市場金利が上がる局面では受け取る利子が増える方向に働きます(手取りは 日本国債シミュレーター で試算できます)
④ 個人保有者は何をすべき?
結論はシンプルで、格下げのニュースだけで慌てて動かないのが基本です。
- 「格下げ=すぐ破綻」ではありません。格付けの変更は「意見の見直し」であり、翌日に何かが起きるという予告ではありません
- そもそも日本国債は円建て・国内保有が中心という構造があります(詳しくは 借金1300兆円でも大丈夫? で解説)
- 保有中の個人向け国債は価格変動がないため、ニュースを理由に急いで中途換金する必然性は薄いと言えます(換金は直前2回分の利子相当が差し引かれます)
- それでも不安が残るなら、国債・預金・株式や投資信託など性質の異なる資産に分けて持つ「分散」が基本の備えです
⑤ 格付けの限界も知っておく
最後に、格付けを過信しないための注意点です。
- 格付けはあくまで民間会社の「意見」であり、将来を当てる予言ではありません
- 過去には、高い格付けが付いていた金融商品が短期間で問題化した例(2008年の金融危機時の証券化商品など)もあり、格付けが実態とずれることはあり得ます
- 逆に、格下げが事前に市場に織り込まれ、発表時にはほとんど反応しないこともあります
- 格付けは「判断材料の一つ」。それだけで良し悪しを決めず、金利や商品のしくみとあわせて見るのが健全な使い方です(基礎は 金利・国債ガイド へ)
よくある質問
Q. 日本国債が格下げされたら、保有中の個人向け国債は損しますか?
個人向け国債は額面発行・額面償還のため市場価格の変動がなく、元本と利子は国が保証する設計です。格下げによって保有分が値下がりすることはありません。
Q. 格下げは「日本が破綻する」という意味ですか?
いいえ。格付けは民間会社による返済能力の「意見」であり、その見直しが即破綻を意味するわけではありません。日本国債は円建て・国内保有が中心という構造もあります。
Q. 日本国債の今の格付けはどこで確認できますか?
S&P・ムーディーズ・フィッチ・R&I・JCRなど各格付け会社の公式サイトの公表で確認できます。会社ごとに記号が異なり、時期により見直されます。
Q. 格下げされると国債の利率は上がりますか?
市場金利が上がれば、これから発行される国債の利率は上がる方向です。変動10年は半年ごとに利率が見直されるため、金利上昇に追随するしくみです。
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基礎ガイド金利・国債ガイド
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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。格付けは民間の格付け会社による意見であり、本記事はその内容や将来の変更を予測・保証するものではありません。金利・為替・格付けの状況は変動します。最新情報は各格付け会社・財務省・日本銀行・各金融機関の公式サイトでご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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