利上げ局面の【そもそもの話】日銀が利上げすると「持ってる国債」はどうなる?
債券価格のしくみ
- 一般に金利が上がると「すでに発行された債券の価格は下がる」:金利と債券価格はシーソーの関係
- でも個人向け国債(変動10年・固定)は市場価格で売買しない=価格下落の影響を受けない(中途換金も額面ベース・元本割れしない設計)
- 値下がりを受けるのは債券ファンド/ETF・時価で持つ既発の利付国債。値下がりが怖い人ほど個人向け国債が向く
- (2026年6月時点:日銀は6/16に政策金利を0.75%→1.00%へ引き上げ済み/個人向け国債 変動10年=年1.74%)
📚 値下がりしない国債を買える証券会社
価格変動の影響を受けない個人向け国債(変動10年=現行1.74%・元本保証)を扱う主要証券会社です。
マネックス証券(NTTドコモグループ)
個人向け国債も購入手数料0円・米国債/投信にも強い
岩井コスモ証券
個人向け国債(変動10年・固定5年)を取扱。米国株/外国債券にも対応。
① そもそも、なぜ金利↑で債券価格↓?
債券の価格と金利はシーソーの関係です。金利が上がると、すでに発行された(古い)債券の価格は下がります。理由はとてもシンプルです。
- 金利が上がると、新しく出る債券のほうが高い利率でもらえる
- すると、古い低利率の債券は「魅力が下がる」=そのままの値段では誰も買ってくれない
- だから価格を下げないと売れない=既発債の価格が下落する
- 逆に金利が下がると、古い高利率の債券は魅力が増し、価格が上がる
金利が上がると、すでに市場で売買される債券の価格は下がる
② 個人向け国債は価格変動しない
ここが大事なポイントです。個人向け国債は市場で時価売買しません。だから①のシーソーの影響を受けません。
- 額面で発行され、満期に額面で償還される(買った金額がそのまま戻る)=価格変動がそもそも無い
- 途中で換金したいときも、市場で売るのではなく国(財務省)が買い取る仕組み
- 中途換金額は「額面+経過利子−直近2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685」で計算され、元本割れしない設計
- つまり金利がいくら上がっても、持っている個人向け国債の「価格」は下がらない
③ 影響を受けるのは誰?
「金利↑で値下がり」が起きるのは、時価で売買される債券を持っている人だけです。整理すると次のとおりです。
| 持っているもの | 金利上昇局面でどうなる |
|---|---|
| 債券ETF・債券ファンド | 中身が時価評価されるため基準価額が下がりやすい(価格変動あり) |
| 時価で持つ既発の利付国債 | 市場価格が下がる(途中で売れば値下がりが現実化/価格変動あり) |
| 個人向け国債 変動10年・固定 | 額面発行・額面償還で価格変動なし(元本保証) |
| これから買う新発の債券 | そもそも高い利率で買えるので有利 |
値下がりの怖さが気になる人ほど、価格変動のない個人向け国債が向いています。債券ETFのしくみは 債券ETFとは でも解説しています。
④ 変動10年はむしろ利上げで利率が上がる
個人向け国債の変動10年は、価格が下がらないだけでなく、利上げ局面ではもらえる利率そのものが上がるのが特長です。
- 適用利率は基準金利×0.66で決まり、半年ごとに見直して金利上昇に追随する
- 金利が上がっても最低保証0.05%があり、下がりすぎる心配もない
- 現在の適用利率は年1.74%(2026年7月適用)
- つまり利上げは、変動10年にとっては「価格は守られる+利率は上がる」ダブルでプラスに働きやすい
変動10年の実際の利率推移は 個人向け国債 変動10年 金利推移 で毎月更新しています。
⑤ 注意:固定型は価格は守られるが上昇の恩恵は取りこぼす
- 固定5年(1.86%)・固定3年(1.51%)も、個人向け国債なので価格は守られる(値下がりしない)
- ただし満期まで利率は固定=買ったあとに金利が上がっても、受け取る利率は変わらない
- 損をするわけではないが、その後の金利上昇の恩恵は取りこぼす
- 今後も金利上昇が続くと見るなら、追随する変動10年のほうが相性が良い
3タイプの手取りを比べたいときは 個人向け日本国債 シミュレーター で試算できます。なお個人向け国債はNISA対象外、利子の税率は20.315%です。
よくある質問
Q. 利上げで国債は値下がりしますか?
市場で売買される既発の債券は値下がりします(金利と価格はシーソー)。金利が上がると新しい債券のほうが高利率になり、古い低利率の債券は価格を下げないと売れなくなるためです。
Q. 個人向け国債も値下がりしますか?
しません。額面で発行・償還され、市場価格で売買しないためです。中途換金しても元本割れしない設計になっています。
Q. 債券ファンドはどうなりますか?
中身が時価評価されるため、金利上昇局面では基準価額が下がりやすいです。個人向け国債とは値動きの性質が異なります。
Q. いま固定5年と変動10年どちらがいいですか?
今後も金利上昇が続くと見るなら、追随する変動10年が有利になりやすいです。固定型は買った時点の利率で固定されるため、上昇の恩恵は受けません。
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日本国債個人向け日本国債 シミュレーター
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金利推移個人向け国債 変動10年 金利推移
最新の適用利率を毎月更新(2026年7月=1.74%)。
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。金利・価格・政策の見通しは不確実で、条件は変動します。最新情報は日本銀行・財務省・各金融機関の公式サイトでご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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