【そもそもの話】半年ごとにもらう国債の利子、置きっぱなしだと10年でいくら差がつく?
単利と複利を「自分の利子」で理解する
- 個人向け国債は単利=利子は半年ごとに現金で口座に払い出され、自動では再投資されません
- 100万円・変動10年1.87%(2026年9月発行分)なら税引後で年約14,901円。10年放置しても受取累計約149,011円で、利子自体は1円も増えません
- 毎年再投資したと仮定しても、100万円規模なら10年の上乗せは約1万円=正直、気にするほどの差ではありません
- ただし1,000万円規模なら差は約10万円。金額が大きい人ほど「年1回まとめて買い足す」価値が出てきます
📚 個人向け国債を扱う主要証券会社
元本保証の個人向け国債(変動10年・現行1.87%)を取り扱う主要証券会社です。口座開設や購入の判断はご自身でご確認ください。
マネックス証券(NTTドコモグループ)
個人向け国債も購入手数料0円・米国債/投信にも強い
岩井コスモ証券
個人向け国債(変動10年・固定5年)を取扱。米国株/外国債券にも対応。
① そもそも個人向け国債は「単利」=利子は自動では増えない
個人向け国債の利子は、半年ごとに現金で口座に振り込まれるしくみです。投資信託の「再投資型」のように自動で元本に組み込まれることはなく、これを単利と呼びます。
- 振り込まれた利子は、そのままなら普通預金でただ置かれているだけ=それ自体は利子をほぼ生みません
- 一方で「利子が現金で手元に来る」のは、年金の足しや生活費にそのまま使えるという利点でもあります。単利=悪い、ではありません
- 問題になるのは「使う予定がないのに、なんとなく置きっぱなし」のケースです
※ 利子が「いつ・どの口座に」入るかの実務は別記事で解説予定。本記事は「入金された後のお金の行き先」編です。
② 10年放置したらいくら?(100万円の例)
変動10年1.87%(2026年9月発行分。実際は半年ごとに利率見直し)で100万円を持っている場合を、利率が10年間ずっと一定だったと仮定して計算します。
- 税引前の年間利子:100万円 × 1.87% = 18,700円
- 税金20.315%を引いた手取り:18,700円 × 0.79685 = 年約14,901円(半年ごと約7,451円 × 2回)
- 10年間の受取累計:約149,011円
約14.9万円はそれなりの金額です。ただし普通預金に置きっぱなしなら、この149,011円自体は10年たっても1円も増えません。ここが単利の「そもそも」です。ご自身の金額での手取りは 日本国債シミュレーター で計算できます。
③ 受け取った利子を再投資したら、いくら違う?
では、利子を毎年1回、同じ条件の国債に再投資できたと仮定したら? 税引後利回り 1.87% × 0.79685 ≒ 年1.490% を複利で回した概算です。
| 経過年数 | 放置(受取累計) | 毎年再投資した場合 | 差 |
|---|---|---|---|
| 3年後 | 約44,700円 | 約45,400円 | 約700円 |
| 5年後 | 約74,500円 | 約76,800円 | 約2,200円 |
| 10年後 | 約149,011円 | 約159,400円 | 約10,000円 |
※ 前提:利率1.87%(税引後1.490%)が10年間一定・利子を年1回全額再投資・1万円単位の購入制約は無視した理論値の概算です。実際の変動10年は半年ごとに利率が見直されるため、結果は必ず変わります。
正直に言うと、元本100万円規模なら差は10年で約10,000円=気にするほどではありません。無理に再投資しなくても大きな損はしていません。
一方、金額が1桁上がると景色が変わります。元本1,000万円なら同じ前提で差は10年で約10万円。利率がより高い局面が続けば十数万円規模に広がる可能性もあります。「複利の魔法」と呼ぶほどの派手さはありませんが、元本が大きい人ほど放置のもったいなさは実額で効いてきます。
④ 現実解:使う人はそのまま/貯める人は「年1回買い足し」で十分
以上を踏まえた、実務的な結論です。
- 利子を生活費に使っている人:そのままで大丈夫です。単利型の設計どおりの使い方で、何も間違っていません
- 利子を使わず貯めている人:年1回、たまった利子をまとめて国債に買い足す程度で十分。半年ごとに几帳面に動く必要はありません
- ただし個人向け国債は1万円単位でしか買えません。100万円保有の年間利子は約14,901円なので、買い足せるのは年1万円=端数は翌年へ持ち越し、が現実的なペースです
- 「利子が1万円たまったら買い足す」くらいのゆるいルールで問題ありません
今後の利率しだいで再投資の妙味も変わります。利率の推移は 変動10年の利率推移 で確認できます。
⑤ 複利でしっかり増やしたい分は「別の器」で
ここまで見たとおり、個人向け国債は元本を守りながら利子を受け取る商品であって、複利でお金を増やす装置ではありません。役割を分けて考えるのがすっきりします。
- 守るお金・使う予定のあるお金 → 個人向け国債(単利・元本保証)のまま
- 長期で複利成長を狙うお金 → NISAでの投資信託など、分配金を自動再投資できるしくみが向いています(値動きのリスクは受け入れる前提)
- なお個人向け国債はNISAでは買えません(NISAで国債買える? 参照)
金利や国債のしくみを基礎から知りたい方は 金利・国債ガイド もどうぞ。
よくある質問
Q. 個人向け国債の利子は自動で再投資されますか?
されません。半年ごとに現金で口座に振り込まれる単利型です。再投資したい場合は、自分で買い足す必要があります(1万円単位)。
Q. 100万円だと利子はいくらもらえますか?
変動10年1.87%(2026年9月発行分)なら、税引後で年約14,901円(半年ごと約7,451円)です。利率は半年ごとに見直されます。
Q. 利子を放置すると損ですか?
100万円規模なら、再投資との差は10年で約10,000円(利率一定と仮定した概算)で、気にするほどの差ではありません。利子を生活費に使う人はそのままで問題ありません。
Q. 利子で国債を買い足すにはどうすればいいですか?
1万円単位で毎月募集されているので、利子が1万円以上たまったタイミングで、証券会社や銀行から通常どおり購入するだけです。年1回程度で十分です。
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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。試算は「利率1.87%(2026年9月発行分)が期間中一定」と仮定した概算で、変動10年の利率は半年ごとに見直されるため、実際の受取額・差額は必ず変動します。税率・制度も将来変わる可能性があります。最新情報は財務省・各金融機関の公式サイトでご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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