昔買った固定3年・固定5年の国債、解約して2.06%に買い直すべき?
中途換金のコストと損益分岐をフラットに
- 中途換金のペナルティは「直前2回分の各利子(税引前)×0.79685」。利率が低い固定型ほどペナルティは小さく、むしろ乗り換えやすいという直感に反する仕組みです
- 例えば利率0.05%の固定5年100万円なら、差し引かれるのは約398円(概算)。現行の固定5年2.06%に買い直せば税引後で年約16,400円の利子=ごく短期間で回収できます
- ただし変動10年を持っている人は乗り換え不要(半年ごとに利率が自動で上がる設計のため)
- (2026年8月時点:政策金利1.00%/2026年9月発行分は変動10年1.87%・固定5年2.06%・固定3年1.71%)
📚 個人向け国債を扱う主要証券会社
元本保証の個人向け国債(変動10年・現行1.87%)を取り扱う主要証券会社です。口座開設や購入の判断はご自身でご確認ください。
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個人向け国債も購入手数料0円・米国債/投信にも強い
岩井コスモ証券
個人向け国債(変動10年・固定5年)を取扱。米国株/外国債券にも対応。
① 「昔の固定」と今の利率のギャップ
個人向け国債の固定型(固定3年・固定5年)は、買ったときの利率が満期までずっと変わりません。低金利の時期に買った固定型を持っている人は、そのギャップがそのまま続きます。
- 2026年9月発行分の利率は、固定5年2.06%・固定3年1.71%・変動10年1.87%
- 日銀は2026年6月16日に政策金利を0.75%→1.00%へ引き上げており、募集利率も低金利期とは大きく水準が変わっています
- 例えば利率0.05%で買った固定5年を持っている場合、現行の固定5年2.06%との差は年2.01%(税引前)。100万円なら税引前で年20,100円の差です
「途中で換金するとペナルティがあるから損では?」と感じるのが普通ですが、実はこのペナルティ、利率が低い債券ほど小さくなります。次で実額を計算します。
② 中途換金のコストは実は小さい
個人向け国債は発行から1年経てば、いつでも国が額面で買い取ってくれます(元本割れなし)。正式には「解約」ではなく中途換金と呼び、差し引かれるのは次の中途換金調整額だけです。
利子は半年ごとに支払われるので、「直前2回分」はおおむね直近1年分の利子です。つまりペナルティは利率に比例します。利率0.05%のような低利率の債券なら、差し引かれる額はごくわずかです。
- 例:利率0.05%の固定5年を100万円分保有している場合
- 半年分の利子(税引前)=100万円 × 0.05% ÷ 2 = 250円
- 調整額 = 250円 × 2回 × 0.79685 = 約398円(概算)
- 一方、現行の固定5年2.06%に100万円を買い直すと、利子は税引前で年20,600円、税引後(税率20.315%)で年約16,415円(概算)
差し引かれる約398円は、新しい債券の利子の9日分ほどで取り返せる計算です(元の0.05%との利子差ベースでも回収は約9日)。「ペナルティが怖くて動けない」の実態は、低利率の債券ではこの程度です。
調整額 約398円 ・ 買い直し後の税引後利子 年約16,415円(いずれも概算)
③ 損益分岐の考え方(表で整理)
判断の枠組みはシンプルで、「ペナルティ(調整額)」と「新利率との差×残存期間」の比較です。調整額はほぼ「直近1年分の税引後利子」に相当するので、次のように整理できます。
| 昔の利率(例) | 調整額(100万円あたり) | 2.06%への乗り換えで増える利子(税引後/年) | 回収の目安 |
|---|---|---|---|
| 0.05% | 約398円 | 約16,000円 | 約9日 |
| 0.3% | 約2,391円 | 約14,000円 | 約2ヶ月 |
| 0.5% | 約3,984円 | 約12,400円 | 約4ヶ月 |
※ いずれも概算。調整額=年利子(税引前)×0.79685、増える利子=(2.06%−昔の利率)×0.79685で計算。実際は経過利子等で多少前後します。
- 回収期間が残存期間より十分短ければ、乗り換えのほうが有利になりやすい構図です
- 逆に満期まで残りわずか(数ヶ月など)の場合は、そのまま満期を待って新規購入するだけでよいケースもあります
- 昔の利率が高い(現行との差が小さい)ほど回収は遅くなります。ご自身の利率・残存期間で確認してください。手取り額の試算は 日本国債シミュレーター が使えます
④ 変動10年の人は乗り換え不要
ここまでの話は固定型(固定3年・固定5年)だけのものです。
- 変動10年は半年ごとに利率が市場金利に合わせて自動で見直される設計です(2026年9月発行分は1.87%)
- 低金利期に買った変動10年でも、金利上昇に合わせて利率はすでに自動で上がっています。わざわざ中途換金して買い直す理由が基本的にありません
- むしろ換金すると調整額の分だけ目減りするため、変動10年の「乗り換え」は原則不要と考えられます
金利がこの先どう動いてきたか・動きそうかは 個人向け国債の利率推移 と 利上げと債券価格の関係 で整理しています。
⑤ 乗り換えの手順と注意点
固定型からの乗り換えは、手続きとしては「中途換金→新規購入」の2ステップです。
- 手順1:中途換金 保有している金融機関(証券会社・銀行等)で中途換金を申し込みます。発行から1年経過していれば額面+経過利子から調整額を引いた金額で換金でき、元本割れはしません
- 手順2:新規購入 個人向け国債は毎月募集されています。募集期間を確認して、固定5年(現行2.06%)などを購入します
- 注意:新しく買った債券も、発行から1年間は中途換金できません。1年以内に使う予定のあるお金は乗り換えに回さないでください
- 換金と購入で金融機関を変えることも可能です。ネット証券での買い方は マネックス証券での個人向け国債の買い方 にまとめています
※ 利子には20.315%の税金がかかります。損益通算など税務の個別の取り扱いはケースによって異なるため、具体的な判断は税理士等の専門家や取引先の金融機関にご確認ください。
よくある質問
Q. 中途換金するといくら引かれますか?
直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます。おおむね直近1年分の税引後利子に相当し、例えば利率0.05%・100万円なら約398円(概算)です。元本割れはしません。
Q. 変動10年も2.06%の固定5年に乗り換えるべきですか?
基本的に不要です。変動10年は半年ごとに利率が自動で見直されるため、低金利期に買ったものでもすでに利率が上がっています(2026年9月発行分は1.87%)。
Q. 満期が近い場合も乗り換えたほうがいいですか?
残存期間が短いと乗り換えのメリットも小さくなります。回収の目安(調整額÷増える利子)と残存期間を比べて、満期が目前なら満期を待って新規購入する選択も合理的です。
Q. 中途換金はいつでもできますか?
発行から1年間は原則できません。1年経過後は、取り扱いの金融機関を通じていつでも額面で換金できます。乗り換え後の新しい債券にも同じ1年ルールが適用される点に注意してください。
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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・換金を推奨するものではありません。記載の利率・調整額・回収期間はいずれも執筆時点の条件にもとづく概算で、募集利率や金利環境は毎月変動します。過去に購入された債券の利率はご自身の取引記録・金融機関でご確認ください。税務の個別の取り扱いは税理士等の専門家にご相談ください。最新情報は財務省・各金融機関の公式サイトでご確認のうえ、投資判断はご自身の責任で行ってください。
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