固定5年2.24%と変動10年1.95%、どっちを選ぶ?
「目先の利率」と「見直しの余地」を天秤にかける
- 目先の利率は固定5年(2.24%)が変動10年(1.95%・2026年10月発行分)より上です
- ただし変動10年は半年ごとに利率が見直されるため、利上げが続けば途中で追い抜く可能性があります。逆に固定5年は満期まで利率が固定=その後の金利上昇の恩恵は取りこぼします
- 100万円なら1年目の利子の差は税引後で年約2,300円。「絶対の正解」はなく、資金拘束期間・金利観・年齢で選び方が変わります(本文④で場合分け)
- (2026年8月時点:日銀の政策金利は1.00%)
📚 個人向け国債を扱う主要証券会社
個人向け国債(変動10年・固定5年)を取り扱う主要証券会社です。口座開設や購入の判断はご自身でご確認ください。
マネックス証券(NTTドコモグループ)
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岩井コスモ証券
個人向け国債(変動10年・固定5年)を取扱。米国株/外国債券にも対応。
① いま「逆転」が起きている:固定5年>変動10年
個人向け国債では長らく「利率は変動10年が一番高い」時期が続いてきましたが、いまは固定5年のほうが表面利率が高い状態です。
- 変動10年:年1.95%(2026年10月発行分)
- 固定5年:年2.24%
- 固定3年:年1.96%
変動10年の利率は「基準金利×0.66」という掛け目で決まります。市場金利の66%しか受け取れない分、いまのような局面では掛け目のない固定5年に表面利率で負けることがあるわけです。ここで迷いが生まれます——日銀の利上げが続くなら、いま固定を選ぶと将来の金利上昇を取りこぼすのでは?という問題です。金利の推移は 個人向け国債の金利推移 で確認できます。
② それぞれのしくみを比較
| 項目 | 固定5年 | 変動10年 |
|---|---|---|
| 現在の利率 | 年2.24% | 年1.95%(2026年10月発行分) |
| 利率の決まり方 | 満期まで固定(発行時の利率のまま) | 基準金利×0.66・半年ごとに見直し |
| 金利が上がったら | 恩恵なし(利率は変わらない) | 利率も上がる余地 |
| 金利が下がったら | 高い利率を維持 | 利率も下がる(ただし最低0.05%保証) |
| 満期 | 5年 | 10年 |
| 元本 | 額面で発行・額面で償還=元本保証(国が元本と利子を保証) | |
| 購入 | 最低1万円から・購入手数料0円 | |
| 税金 | 利子に20.315%(NISA対象外) | |
| 中途換金 | 発行1年後から元本割れなしで換金可(詳細は本文⑤) | |
つまり両者の違いは、ほぼ「利率の決まり方」と「満期の長さ」に集約されます。固定5年はいまの高い利率を5年間確定できる代わりに、変動10年が持つ利上げへの追随力を手放す、という関係です。
スタートは2.24% vs 1.95%で固定が上・その後は金利次第
③ 100万円ならいくら違う?
100万円を預けた場合の1年目の利子を、実額で比べてみます(税率20.315%)。
| 固定5年(2.24%) | 変動10年(1.95%) | |
|---|---|---|
| 1年分の利子(税引前) | 22,400円 | 19,500円 |
| 1年分の利子(税引後・概算) | 約16,400円 | 約14,900円 |
- 1年目の差は税引前で2,900円、税引後で年約2,300円の概算です
- この差が5年続けば約11,500円(税引後・概算)ですが、変動10年の利率は半年ごとに変わるため「5年間ずっとこの差」とは限りません。金利上昇が続けば変動10年が2.24%を超え、差が逆転する展開もありえます。逆に金利が下がれば差は広がります
- つまりこの比較は「いま時点のスタート地点の差」であって、勝負の結果ではありません
ご自身の金額での税引後の手取りは 日本国債シミュレーター で試算できます。
④ どっちが向いているか(場合分け)
「絶対にこちら」という答えはありません。3つの軸で考えると整理しやすくなります。
- 資金拘束期間で選ぶ:5年後に使い道が決まっているお金なら、満期が一致する固定5年が素直です。10年単位で置いておけるお金なら変動10年も選択肢に入ります(どちらも1年経てば元本割れなしで中途換金可なので、拘束は見た目ほど強くありません)
- 金利観で選ぶ:「利上げはまだ続く」と考えるなら半年ごとに利率が追いつく変動10年、「このあたりで打ち止め・むしろ低下」と考えるなら2.24%を確定できる固定5年に分があります。ただし金利の先行きは誰にも断定できません。直近の日銀会合(7/30〜31)は据え置きでしたが、長期金利の上昇で利率は上がり続けています。次回会合の結果も判断材料になります(日銀会合と国債金利)
- 年齢・ライフプランで選ぶ:たとえば退職金の置き場所として10年間動かさない前提なら変動10年、5年以内に住宅・教育などの支出予定があるなら固定5年、といった具合にお金の出番から逆算するのが実務的です
- 迷うなら両方に分けて持つ(例:半分ずつ)のも一つの方法です。どちらの金利シナリオでも「全部外した」状態を避けられます
金利上昇局面の債券の考え方は 利上げと債券価格の関係、そもそもの基礎は 金利・国債ガイド でまとめています。
⑤ 中途換金ルールは共通(1年後から・元本割れなし)
「固定を選んで金利が上がったら困る」という不安への実務上のセーフティネットが、中途換金制度です。固定5年・変動10年で共通です。
- 発行から1年経過すればいつでも換金可能
- 換金時は「直前2回分の各利子(税引前)×0.79685」が差し引かれます(=直近1年分の利子相当のペナルティ)
- 差し引かれるのは利子部分だけなので、元本割れはしません
- つまり固定5年を選んだ後に金利が大きく上がった場合でも、ペナルティを払って乗り換えるという選択肢が残ります(乗り換えが得かどうかは、その時点の利率差とペナルティ額の比較で決まります)
よくある質問
Q. 利率が高い固定5年を選べばいいのでは?
1年目の利子は固定5年が上(100万円で税引後・年約2,300円の差)です。ただし変動10年は半年ごとに利率が見直されるため、利上げが続けば途中で逆転する可能性があります。目先の差と将来の追随力のどちらを取るかの選択です。
Q. 変動10年の利率はどう決まりますか?
基準金利×0.66で半年ごとに見直されます。最低0.05%が保証されており、マイナスにはなりません。2026年10月発行分の利率は年1.95%です。
Q. 固定5年を買った後に金利が上がったらどうなりますか?
利率は満期まで2.24%のまま変わらず、上昇の恩恵は受けられません。ただし発行1年後からは直前2回分の利子相当を差し引いて元本割れなしで中途換金できるため、乗り換える選択肢は残ります。
Q. 途中で換金すると損しますか?
発行1年後から換金でき、差し引かれるのは直前2回分の各利子(税引前)×0.79685のみで、元本割れはしません。それまでに受け取った利子が減るイメージです。
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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。利率は2026年8月時点の情報(2026年10月発行分)に基づく概算で、条件は今後変動します。変動10年の将来の利率や金利の見通しを保証するものではなく、記載のシミュレーションも概算です。元本保証は額面の保証であり、インフレによる実質的な目減りまで保証するものではありません。最新情報は財務省・各金融機関の公式サイトでご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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