物価高で考えたい【そもそもの話】インフレで国債は「損」する?「得」する?
実質で目減りしない?を整理
- インフレ(物価上昇)が金利上昇より速いと、固定の利息は実質的に目減りします(損の方向)
- ただし変動10年は金利上昇に半年ごと追随=インフレ・利上げ局面に比較的強い
- カギは「実質金利=名目金利−物価上昇率」がプラスか。元本保証でも「購買力」は自動では守られない
📚 インフレに追随:変動10年を買える証券会社
物価高・利上げ局面で利率が追随する変動10年(現行1.87%)を扱う主要証券会社です。
マネックス証券(NTTドコモグループ)
個人向け国債も購入手数料0円・米国債/投信にも強い
岩井コスモ証券
個人向け国債(変動10年・固定5年)を取扱。米国株/外国債券にも対応。
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① そもそもインフレで何が起きる?
インフレとはモノやサービスの値段(物価)が上がることです。裏を返すと、同じ金額のお金で買えるモノが減る——つまりお金の価値(購買力)が下がることを意味します。
- 物価が上がると、同じ100万円で買えるモノが減る
- たとえば物価が1年で2%上がると、100万円の「実質的な価値」は約98万円分に目減り
- つまりインフレは、現金や預金など「金額が固定されたお金」の価値をジワジワ削る
- このとき大事なのは「いくら受け取るか(金額)」だけでなく、「その金額で何が買えるか(購買力)」
② 固定の国債・預金がインフレに弱い理由
個人向け国債の固定5年(2.06%)・固定3年(1.71%)や、固定金利の定期預金は、買った時点で受け取る利息が固定されます。これがインフレ局面では弱点になります。
- 利息は固定なのに物価がそれ以上に上がると、受け取る利息の「購買力」が下がる
- たとえば利率1.5%・物価上昇2%なら、実質リターンは 1.5%−2%=−0.5%(実質マイナス)
- 金額(額面)は減らないので「損した」と気づきにくいのが落とし穴
- 固定型は満期まで利率が変わらないため、途中で物価が加速しても追随できない
固定5年・固定3年の手取りは 個人向け日本国債シミュレーター で試算できます。
③ 変動10年がインフレに比較的強い理由
個人向け国債の変動10年(現行1.87%)は、適用利率が半年ごとに見直されるのが特徴です。インフレが進むと、次のような「ドミノ」で利率が上がりやすくなります。
インフレは「日銀の利上げ」を経て、変動10年の利率を半年ごとに押し上げる
- ① インフレ(物価上昇)が進むと、日銀は物価を抑えるため利上げに動く(実際2026/6/16に0.75→1.00%へ)
- ② 政策金利↑ → 基準金利(長期金利)↑
- ③ 変動10年の適用利率は基準金利×0.66で半年ごとに見直し=上昇に追随する
- つまり、保有中でもインフレ・利上げに合わせて受け取る利息が増える方向になりやすい
- 加えて最低保証0.05%・元本保証・額面発行/額面償還で価格変動なしという守りも備える
④ 「実質金利」で考える(名目−物価)
インフレで損か得かを見極めるカギは「実質金利」です。実質金利は名目金利(表面の利率)− 物価上昇率でざっくり計算でき、これがプラスなら購買力が増え、マイナスなら目減りします。
| 名目利率 | 物価上昇率 | 実質(ざっくり) |
|---|---|---|
| 1.87%(変動10年) | 1.0% | +0.87%(プラス=得の方向) |
| 1.71%(固定3年) | 2.0% | −0.29%(マイナス=目減り) |
| 2.06%(固定5年) | 2.06% | 0%(とんとん) |
| 0.05%(最低保証) | 2.0% | −1.95%(大きく目減り) |
受け取る利息からは税金(20.315%)も引かれるため、手取りベースの実質はさらに小さくなります。名目の利率だけでなく「物価との差」で見るのがポイントです。
⑤ 元本保証=額面は守るが購買力は守らない
個人向け国債は元本保証で、満期には額面どおりお金が戻ります。ただしこれは「金額」を守るだけで、「購買力」までは守りません。
- 額面100万円は満期でも100万円のまま=金額は守られる
- でも物価が上がっていれば、その100万円で買えるモノは減っている(購買力は目減り)
- 物価そのものに連動して元本・利息が増える物価連動国債という商品もあるが、主に機関投資家向けで個人が直接買うのは現実的でない
- そのため個人にとっては、金利上昇に追随する変動10年が「インフレへの現実的な備え」になりやすい
- なお個人向け国債はNISA対象外(NISAは上場株式・投資信託・ETF等)
日銀利上げが国債・預金に与える影響は 日銀が利上げしたら国債・定期預金はどうなる? で詳しく解説しています。
よくある質問
Q. インフレで国債は損しますか?
固定の利息は物価上昇に置いていかれ実質目減りしますが、変動10年は金利上昇に追随するため比較的強いです。
Q. 変動10年はインフレに勝てますか?
インフレ→利上げと連動して利率が上がるので追随しやすいですが、物価の伸びを必ず上回る保証はありません。
Q. 元本保証ならインフレでも安心ですか?
額面(元本)は守られますが「購買力」は守られません。物価が上がるとお金の価値は目減りします。
Q. 物価に連動する国債は個人で買えますか?
物価連動国債は主に機関投資家向けで、個人が直接買うのは現実的でないため、個人は変動10年が選択肢になります。
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個人向け国債 変動10年 金利推移
最新の適用利率を毎月更新(2026年9月=1.87%)。
日銀利上げ日銀が利上げしたら国債・定期預金はどうなる?
政策金利の決まり方と波及を仕組みから解説。
日本国債個人向け日本国債 シミュレーター
変動10年・固定5年・固定3年の手取りを計算。
比較個人向け国債 vs 定期預金
どちらがおトク?利率・安全性を比較。
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。物価・金利・政策の見通しは不確実で、条件は変動します。実質金利の計算は概算であり、税金や複利の影響は含みません。最新情報は日本銀行・財務省・各金融機関の公式サイトでご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。