株高で利確したお金の「避難先」としての国債
増やす場所と守る場所を分ける
- 個人向け国債は価格変動なし・元本保証=株と値動きの性質が真逆。利益確定後の資金の「受け皿」に向く設計です
- ただしリターンは控えめ(変動10年で年2.05%・固定5年2.39%=2026年11月発行分)。「増やす場所」ではなく「守る場所」です
- おすすめは「全部逃がす」ではなく、利益分だけ・一定比率だけ移す考え方。株を続けながら守る部分を作れます
- 相場の天井や底は誰にも分かりません。タイミングを当てにいく売買はこの記事では扱いません
📚 個人向け国債を扱う主要証券会社
元本保証の個人向け国債(変動10年・現行2.05%)を取り扱う主要証券会社です。口座開設や購入の判断はご自身でご確認ください。
マネックス証券(NTTドコモグループ)
個人向け国債も購入手数料0円・米国債/投信にも強い
岩井コスモ証券
個人向け国債(変動10年・固定5年)を取扱。米国株/外国債券にも対応。
① 2026年の日経平均で何が起きたか——7万円、暴落、急回復
まず事実だけを整理します。
- 6月:日経平均が史上初の7万円台に乗せ、6月下旬には1日3,000円規模の急騰・急落を繰り返しました
- 7月末:韓国KOSPIの大暴落をきっかけに日経平均は1日で2,500円超の下落、6万1千円台まで調整。同時期に為替介入で一晩5円の円高も重なりました(当時の解説)
- 8月:中東情勢の緩和期待から4日続伸し、一時6万9千円台まで急回復。その後は世界的な金利上昇で一服(8月のまとめ)
- つまり2〜3ヶ月のあいだに「史上最高値」「暴落」「急回復」が全部起きました。ここから上がるか下がるかは誰にも断定できません
この局面で増えているのが、「株で増えた利益の一部を確定して、値動きのない場所に置いておきたい」というニーズです。6〜7月の経緯は 【2026年6,7月の国債まとめ】 で詳しく整理しています。
② 「利確したお金」の置き場問題
利益確定して現金化しても、それで終わりではありません。そのお金をどこに置くかという問題が残ります。
- 証券口座や普通預金に置いたままだと、金利はごくわずかで実質的にほぼ「寝ている」状態になります
- かといって別の株や投信にすぐ入れ直すと、せっかく確定した利益がまた値動きにさらされることになります
- 「値動きから切り離したい。でも寝かせておくのはもったいない」——この中間の置き場が意外と少ないのです
なお、株の譲渡益には20.315%の税金がかかります。利確後に手元に残るのは税引後の金額です。
③ 国債が「避難先」に向く理由
個人向け国債が受け皿に向くのは、株と値動きの性質が真逆だからです。
| 項目 | 株式 | 個人向け国債 |
|---|---|---|
| 価格変動 | 毎日変動(今回は1日3,000円規模も) | 価格変動なし(額面発行・額面償還) |
| 元本 | 保証なし | 国が元本と利子を保証 |
| リターン | 大きくなり得るがマイナスもあり得る | 変動10年で年2.05%(税引前)と控えめ |
| 換金 | 市場でいつでも(価格は時価) | 発行1年後から元本割れなしで中途換金可(直前2回分の各利子(税引前)×0.79685が差し引かれる) |
- 価格変動がない:市場で売買されないため、株が3,000円動く日でも国債の元本の額面は変わりません
- 利上げ局面に追随できる:変動10年は半年ごとに利率が見直されるため、政策金利(2026年9月18日に1.25%へ引き上げ)が今後さらに上がれば受け取る利子も追いかけて増える設計です(金利と債券の関係は 利上げと債券価格 を参照)
- 再出動もできる:発行1年後からは元本割れなしで換金できるため、「守りながら、必要になったら株に戻す」という使い方が可能です
一方で正直に言えば、年2.05%(利子には20.315%の税金がかかります)は株の期待リターンと比べれば控えめです。国債は「増やす場所」ではなく「守る場所」——ここを取り違えないことが大切です。手取り額は 日本国債シミュレーター で試算できます。
④ 「全部逃がす」ではなく、比率で考える
乱高下を見ると「全部売って逃げたい」と感じるかもしれませんが、全額移すとその後の上昇を全部取り逃がすことにもなります。おすすめは比率の考え方です。
- 例1:利益分だけ移す:元本はそのまま株で運用を続け、増えた利益の分だけを利確して国債へ。これなら「最悪でも元は取れている」状態を作れます
- 例2:コア・サテライト:資産の中心(コア)を国債や預金などの守りに置き、一部(サテライト)だけで株の値動きを取りにいく組み方です
- どの比率が正解かは、年齢・収入・リスク許容度によって変わります。「この比率なら大丈夫」という万能の答えはありません
資産全体での役割分担は 投資ロードマップ で、預金と国債の使い分けは 国債 vs 定期預金 でまとめています。
⑤ 国債への避難が「向かない」ケース
正直に、向かないケースも挙げておきます。
- 数か月以内に再投資するつもりのお金:個人向け国債は発行から1年間は中途換金できません。短期で株に戻す予定なら、普通預金のままでよいケースが多いです
- 生活費や近い将来の支出に使うお金:同じ理由で、すぐ引き出せる預金が優先です
- 大きく増やしたいお金:年2.05%は守りの利率です。増やす目的なら国債は主役になりません
「1年以上は動かさない」「値動きから切り離したい」お金にだけ、国債という選択肢が生きてきます。
よくある質問
Q. 株が下がりそうだから、今すぐ全部国債に移すべきですか?
相場の天井や底は誰にも分かりません。全額の移動はその後の上昇を取り逃がすリスクもあるため、利益分だけ・一定比率だけ移すなど、タイミングを当てにいかない考え方をおすすめします。
Q. 国債に移したお金は、また株に戻せますか?
個人向け国債は発行1年後から元本割れなしで中途換金できます(直前2回分の各利子(税引前)×0.79685が差し引かれます)。ただし発行から1年間は換金できないため、短期で戻す予定の資金には向きません。
Q. 変動10年と固定5年、避難先ならどちらですか?
現行利率は変動10年が2.05%、固定5年が2.39%です。利上げが続く局面では半年ごとに利率が見直される変動10年が追随できる一方、固定5年は今の利率を固定できます。どちらが有利かは今後の金利次第で、断定はできません。
Q. 国債の利子にも税金はかかりますか?
はい。利子には20.315%の税金がかかります(株の譲渡益と同じ税率)。手取りは 日本国債シミュレーター で試算できます。
関連ページ
個人向け日本国債 シミュレーター
変動10年・固定5年・固定3年の手取りを計算。
相場【2026年6,7月の国債まとめ】
7万円台・暴落・日銀会合の経緯を時系列で。
資産形成投資ロードマップ
預金・国債・株式の役割分担と分散の考え方。
買い方マネックス証券での国債の買い方
口座開設から購入までの手順を解説。
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入や売却、売買のタイミングを推奨するものではありません。株価・金利の見通しは不確実で、記載の利率・数値は執筆時点のものです。個人向け国債の元本保証は額面の保証であり、インフレによる実質的な目減りまで保証するものではありません。最新情報は財務省・日本銀行・各金融機関の公式サイトでご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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