【金融庁が点検へ】銀行・信金の「国債含み損」はなぜ起きる?
預金者が心配すべきこと・しなくていいこと——個人向け国債に含み損がない理由
📅 公開:2026/9/4 / 出典:共同通信(9/3)/ 続報が出しだい追記します。
- 金融庁が信用金庫の国債含み損を点検する方針と報道(共同通信 9/3)。長期金利が30年ぶりに3%をつけ、金融機関が持つ低利率時代の国債が値下がりしているためです
- 含み損が出るのは市場で売買される国債。個人向け国債には市場価格がなく、含み損は発生しません(中途換金は額面ベース)
- 預金者の預金は含み損と無関係。万一の破綻でも預金保険で1,000万円+利息まで保護。1つの信金に1,000万円超を置いているなら分散を検討する、それ以外は慌てなくてOK
- 金利が1%上がると残存10年の国債は約8〜9%値下がり。満期まで持てば額面で戻るので、含み損は即損失ではなく「満期前に売らざるを得ない場合」に問題になります
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① 何が報じられた?
- 9月3日、共同通信が「金融庁が、長期金利上昇で信用金庫の保有する国債の含み損が膨らむ懸念があるとして、点検に乗り出す」と報道しました
- 背景は長期金利が9/1に一時3.0%(30年ぶり)まで上昇したこと。国債の価格は金利と逆に動くため、昔の低金利時代に買った国債ほど値下がりしています(速報記事)
- 点検の対象範囲・含み損の規模など具体的な内容は現時点で報じられていません。続報が出しだい追記します
② 「含み損」はなぜ起きる?——金利と債券価格のシーソー
国債は「利率が固定された借用証書」です。市場金利が上がると、昔の低い利率の国債は魅力が下がり、売るなら値引きが必要=価格が下がります。持ったままなら損は確定しませんが、帳簿上は「いま売ったらこれだけ損」=含み損として計上されます。
| 残存期間 | 金利が1%上がった場合の価格変化(概算) | 10億円分の含み損 |
|---|---|---|
| 2年 | 約−2% | 約2,000万円 |
| 5年 | 約−4.5% | 約4,500万円 |
| 10年 | 約−8〜9% | 約8,000〜9,000万円 |
| 20年 | 約−15% | 約1.5億円 |
- 信金・地銀は預金の運用先として国債を大量に持っています。残存期間が長い国債を多く持つほど、同じ金利上昇でも含み損は大きくなります(金利上昇と債券価格の解説)
- 満期まで持てば額面で戻るので、含み損=即損失ではありません。問題になるのは「預金の流出などで満期前に売らざるを得ない」ケースで、金融庁の点検はそのリスクを事前に把握するためのものと考えられます
③ 預金者が心配すべきこと・しなくていいこと
| 結論 | 理由 | |
|---|---|---|
| 預金が減る? | 心配不要 | 含み損は信金側の評価損。預金残高には無関係 |
| 信金が破綻したら? | 1,000万円+利息までは保護 | 預金保険制度。超える部分は破綻処理の状況次第(ペイオフと国債) |
| 1つの信金に1,000万円超を置いている | 分散を検討 | 平時でも預金保険の上限を意識するのが基本 |
| 持っている個人向け国債は? | 含み損は出ない | 市場価格がなく、中途換金は額面ベース |
| 窓口で買った「利付国債・新窓販国債」は? | 含み損はありうる | 市場価格で売却するタイプ。満期まで持てば額面(違いの解説) |
④ 同じ「国債」なのに、個人向け国債に含み損がない理由
- 個人向け国債は市場で売買されない商品です。手放すときは国が額面で買い取る「中途換金」で、差し引かれるのは直前2回分の利子相当額(税引後)だけ。元本割れしない設計です(中途換金の解説)
- さらに変動10年は半年ごとに利率が見直されるため、金利が上がると「値下がり」ではなく「利率アップ」として跳ね返ります。金融機関の国債とは正反対の性質です
- 「国債は金利上昇で損をする」という報道は、市場で取引される国債の話。個人向け国債を持っている人・これから買う人が慌てる必要はありません。国そのものの信用が心配な場合は 国の借金と国債の安全性 へ
よくある質問
Q. 信用金庫に含み損があると、預けている預金は減りますか?
減りません。含み損は信金が保有する国債の評価上の損失で、預金者の預金残高とは無関係です。万一その金融機関が破綻した場合でも、預金保険により1金融機関あたり元本1,000万円+利息まで保護されます。
Q. 含み損と実現損は何が違いますか?
含み損は「いま売ったら出る損失」で、満期まで持てば額面で償還されるため損は確定しません。実現損は実際に売却して確定した損失です。問題になるのは、資金繰りなどで満期前に売らざるを得なくなった場合です。
Q. 私が持っている個人向け国債にも含み損は出ますか?
出ません。個人向け国債には市場価格がなく、中途換金は額面ベース(直前2回分の利子相当額の調整のみ)です。金利が上がって値下がりするのは、市場で売買される国債(利付国債・新窓販国債など)です。
Q. 金利が1%上がると、10年国債の価格はどれくらい下がりますか?
残存10年の国債なら、金利1%の上昇で価格はおおむね8〜9%下がります(残存期間が長いほど大きく下がります)。保有額が大きい金融機関ほど含み損の額も大きくなります。
Q. 預金者として何かしたほうがいいですか?
1つの金融機関に1,000万円を超えて置いているなら、預金保険の上限を意識して分散するのが基本です。それ以外に慌てて動く必要はありません。国債そのものが心配な場合は、額面保証の個人向け国債という選択肢もあります。
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「借金1300兆円」でも大丈夫?
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却や借入を推奨するものではありません。記載の利率(変動10年1.95%・固定5年2.24%・固定3年1.96%=2026年10月発行分)は募集ごとに見直され、将来の利率・受取額を保証するものではありません。金額はすべて概算です。最新情報は財務省・日銀・各金融機関の公式サイトでご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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