【速報】長期金利が3%突破・30年ぶり。国債の利率は2%へ?
仮に基準金利3%なら変動10年は1.98%の計算——実際の10月発行分は変動10年1.95%(9/2発表)
📅 公開:2026/9/1 / 出典:毎日新聞(9/1 12:34配信)ほか / 9/2追記:「3%は異常か正常か」——エコノミストの見方(⑥) / 9/2追記:10月発行分の利率が発表——変動10年1.95%(2%目前)・固定5年2.24%・固定3年1.96%(⑦)
- 9月1日の東京債券市場で、長期金利の指標である新発10年物国債の利回りが一時3.0%を突破。1996年9月以来、30年ぶりの高水準です(日本相互証券・毎日新聞)
- 変動10年の利率は基準金利×0.66で決まります。仮に基準金利が3.0%なら3.0×0.66=1.98%=「変動10年も2%目前」の機械計算になります(基準金利は入札ベースのため市場利回りと完全には一致しません)
- 【9/2追記】10月発行分は変動10年1.95%・固定5年2.24%・固定3年1.96%(募集9/3〜30)。機械計算の1.98%に対して実績は1.95%=「2%目前」で止まりました(基準金利は入札ベースの2.96%)。9月発行分は変動10年1.87%・固定5年2.06%でした(最新の解説/本文⑦)
- 金利上昇の背景は①米金利上昇 ②原油高騰(インフレ警戒)③財政悪化懸念(2027年度概算要求が過去最大143兆円前後)の3つ。さらに9/17〜18の日銀会合では利上げ観測が大勢です
- 持っている個人向け国債は値下がりしません。「国債売り」で価格が下がるのは市場で取引される国債で、個人向け国債は額面で買い取られる別の商品です(変動10年はむしろ次の見直しで利率が上がる方向)
- 【9/2追記】「3%は異常か」への専門家の答えは「デフレ下の超低金利のほうが異常で、金利のある世界は正常」。市場は3〜4ヶ月に一度の利上げが今後2年続くことを織り込んでいるとの見方(第一生命経済研究所・藤代氏)。個人向け国債にとっては「利率のある時代」が続く前提=変動10年の追随力が活きる局面です(本文⑥)
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① 何が起きた?——10年国債利回りが一時3.0%
- 9月1日、新発10年物国債の利回りが上昇(=債券価格は下落)し、一時3.0%の大台を突破しました。日本相互証券によると1996年9月以来30年ぶりの水準です
- 前日の終値から0.06%を超える上昇で、連日で30年ぶりの水準を更新しています
- 当サイトが8月に記録してきた「株安・円高でも利率が上がる」流れ(8月まとめ)の延長線上にある動きです
② なぜ上がっている?——3つの要因
| 要因 | 中身 | 金利への効き方 |
|---|---|---|
| ①米金利の上昇 | FRBのウォーシュ議長が早期利上げに含みを持たせ、米長期金利の上昇が継続 | 日本の金利も連れ高に |
| ②原油高騰・インフレ警戒 | 米軍によるイランの軍事施設攻撃で原油の供給リスクが上昇 | 物価上昇→金利上昇圧力 |
| ③財政悪化懸念 | 2027年度予算の概算要求総額が過去最大の143兆円前後に。積極財政で利払い費増の見通し | 国債の増発観測→国債売り→金利上昇 |
- さらに9月17〜18日の日銀金融政策決定会合では、利上げに踏み切るとの見方が市場の大勢となっており、これも国債売り(金利上昇)を誘っています
③ 個人向け国債の利率はどうなる?——2%目前の機械計算
- 変動10年の利率は基準金利×0.66で機械的に決まります(しくみの解説)
- 仮に基準金利が3.0%なら、3.0%×0.66=1.98%。9月発行分の1.87%から一段上がり、変動10年も「2%」が視野に入る計算です
- ただし基準金利は10年固定利付国債の入札結果ベースのため、市場の瞬間値(一時3.0%)とは完全に一致しません。実際の利率は発表を待つ必要があります
- 【9/2追記】10月発行分は変動10年1.95%(基準金利2.96%×0.66)と発表されました(募集9/3〜30)。機械計算との差と固定型の上げ幅については本文⑦、最新の月次推移は金利推移ページへ
④ 持っている国債・住宅ローンへの影響は?
| 持っているもの | 影響 |
|---|---|
| 個人向け国債(変動10年) | 値下がりしません。むしろ半年ごとの見直しで利率が上がる方向の恩恵(次回利子の計算) |
| 個人向け国債(固定型) | 値下がりはしませんが利率は固定のまま。低利率時代の分は乗り換えの検討も |
| 市場で取引される国債・債券投信 | 価格は下落方向です(「国債売り」の対象はこちら) |
| 住宅ローン(固定金利) | 長期金利に連動するため今後の借入・借り換えの金利は上昇方向 |
「国債が売られている」というニュースを見て不安になった方は、個人向け国債が値下がりしない理由もどうぞ。市場で売買される国債と、額面で国が買い取る個人向け国債は別の商品です。
⑤ 今後の予定
| 日付 | 予定 | ポイント |
|---|---|---|
| 9/2(済) | 財務省が10月発行分の利率を発表:変動10年1.95%・固定5年2.24%・固定3年1.96% | 変動10年は「2%目前」の1.95%。固定型の上げ幅が大きい(本文⑦) |
| 9/3〜30 | 10月発行分の募集期間 | 期間内ならいつ申し込んでも利子は同じ |
| 9/17〜18 | 日銀金融政策決定会合 | 市場では利上げ観測が大勢。結果は本記事に追記します |
⑥ 【9/2追記】長期金利3%は「異常」なのか「正常」なのか——エコノミストの見方
3%突破の翌日、第一生命経済研究所の藤代宏一氏がYahoo!ニュース エキスパートで金利上昇の背景を整理しています(9/2配信)。当サイトの②で挙げた要因と重なる部分・違う部分を整理します。
| 要因 | 藤代氏の見立て(要旨) | 国債を買う人への意味 |
|---|---|---|
| ①海外金利の上昇 | 米国だけでなくドイツなどでも上昇。米10年金利は4.8%近傍で、2023年の4.99%更新もありうる | 日本の長期金利は海外に引っ張られやすい。米金利が高止まりする限り「これからの利率」の追い風は続く |
| ②日銀の利上げ観測 | 3〜4ヶ月に一度の利上げが今後2年程度続くことを市場が織り込んでいる。経済がデフレ型からインフレ型へ切り替わった以上、長期金利の上昇は自明とも言える。「デフレ下の超低金利という異常な世界」に長くいたため、金利のある正常な世界を異常と捉えてしまう面がある | 「金利のある時代」が2年単位で続く前提なら、半年ごとに利率が見直される変動10年の追随力が活きる。固定5年は「いまの2%台を確定させる」選択 |
| ③財政政策への反応 | 概算要求143兆円は事前予想と比べて必ずしも大きくない。高市政権は10〜20兆円規模の補正予算を止めて当初予算に集約する方針で、当初+補正の合計で見れば純増は小さい。金利上昇の「主因」が財政かは議論の余地がある | 当サイトは②で「財政悪化懸念」を要因に挙げましたが、専門家の間でも比重には見方の幅がある点は公平に記しておきます。持っている個人向け国債の安全性には影響しません(国の借金と国債の安全性) |
- 要するに「3%は異常ではなく、ようやく正常に戻った」というのがこの見方です。利率の上昇を「異常事態の一時的なもの」と見るか「当たり前の水準への回帰」と見るかで、固定を選ぶか変動を選ぶかの判断も変わります(固定5年と変動10年、どっちを選ぶ?)
- もちろん見立ては専門家によって異なり、当サイトの予想も7月末に外れています(見立て外れの訂正)。「必ず上がり続ける」と決めつけず、上がっても下がっても額面で戻るという個人向け国債の性質を土台に判断してください
⑦ 【9/2追記】結果:10月発行分は変動10年1.95%=「2%目前」・固定5年2.24%
3%突破の翌日、財務省が10月発行分の利率を発表しました。3タイプ揃って大幅上昇です(詳しい解説はこちら)。
| タイプ | 10月発行分 | 9月発行分から | 決まり方(基準金利) |
|---|---|---|---|
| 変動10年(第198回) | 1.95%(税引後約1.55%) | 1.87% → +0.08 | 基準金利2.96%×0.66=1.9536→1.95% |
| 固定5年(第186回) | 2.24%(税引後約1.78%) | 2.06% → +0.18 | 5年想定利回り2.29%−0.05% |
| 固定3年(第196回) | 1.96%(税引後約1.56%) | 1.71% → +0.25 | 3年想定利回り1.99%−0.03% |
- 本文③の機械計算「3.0%×0.66=1.98%」に対し、実績は1.95%。基準金利は発表前営業日の10年国債「入札」ベース(2.96%)で決まるため、市場で一時つけた3.0%はそのまま反映されませんでした。それでも「2%目前」は現実になりました
- むしろ上げ幅が大きかったのは固定5年(+0.18)と固定3年(+0.25)。日銀の利上げ観測(⑥)は短中期の金利ほど強く織り込まれるためで、「利上げが2年続く」という市場の見方がそのまま利率に出た形です
- 変動10年が2%に乗るには基準金利で約3.03%(2.00÷0.66)が必要。次の焦点は11月発行分(10月上旬発表)で2%到達なるかです
よくある質問
Q. 長期金利3%で、個人向け国債の利率も3%になりますか?
なりません。変動10年は基準金利×0.66で決まるため、基準金利が3.0%でも利率は1.98%の計算です。それでも1年前(約0.97%)の2倍の水準です。
Q. 「国債売り」で持っている個人向け国債は損しませんか?
損しません。売られて価格が下がっているのは市場で取引される国債で、個人向け国債は額面で発行・額面で償還(中途換金も額面ベース)のため市場価格がそもそもありません。
Q. 10月発行分を待ったほうが得ですか?
発表済みです(変動10年1.95%・固定5年2.24%・固定3年1.96%)。募集は9/3〜30で、期間内ならいつ申し込んでも同条件。9/17〜18の日銀会合の結果を見てから月末までに申し込む「後出し」も可能です(最新の解説)。
Q. 長期金利3%は異常な水準ですか?
エコノミストの見方では、デフレ下の超低金利のほうが異常で、インフレ下で金利がある状態は正常とされています。市場は3〜4ヶ月に一度の利上げが今後2年程度続くことを織り込んでいるとの指摘もあります。ただし見立ては専門家により異なります。
Q. 日銀が9月に利上げしたらどうなりますか?
政策金利の引き上げは短期金利の話ですが、長期金利にも上昇圧力となり、その先の発行分の利率にはさらに追い風です。ただし8月に学んだとおり、利率を決めるのは最終的に市場の長期金利です(8月の教訓)。
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本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。長期金利・利率に関する記述は2026年9月1日時点の報道(毎日新聞ほか)に基づき、「1.98%」は基準金利3.0%を仮定した機械計算であって将来の利率を予測・保証するものではありません。実際の利率は財務省の発表でご確認ください。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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